【目的】
獣医療で真菌症といえば皮膚糸状菌症だけが問題となっていましたが、現在では抗がん治療や免疫抑制治療による内臓真菌症(または深在性真菌症)の発症が増えつつあります。
しかし、真菌症の多くは十分な検査と治療が行われていません。当検査は、獣医療における真菌症の確実な診断・治療に貢献し、真菌症研究の発展に寄与することを目的とします。

【検査内容】

①培養検査
PDA培地等にサンプルを接種し、形成されたコロニーを肉眼的および顕微鏡的に観察します。生育には酵母は2~4日、糸状菌は12週間を要しますが、中には一カ月以上要する菌種も存在します。培養陽性となったもののみ、以下の検査に進むことができます。

②薬剤感受性試験
8種類の抗真菌剤(ミカファンギン、カスポファンギン、アムホテリシンB、フルシトシン、フルコナゾール、イトラコナゾール、ボリコナゾール、ミコナゾール)に対する感受性を調べます。酵母はCLSIのM27A3-S4、糸状菌はM38A2に従い、微量液体希釈法により測定します。小動物ではBreak pointが定まっていないため、結果はMIC値で報告します。

③遺伝子検査
純培養コロニーからDNAを抽出し、リボソームDNAのITS領域あるいはD1/D2領域等をPCRした後にシーケンスにより真菌種を特定します。

④アドバイス
検査結果に基づき、治療や予後に関するアドバイスを行います。

⑤フォローアップ
治療が奏功した症例においては再培養により陰性化を確認します。治療が奏功しなかった場合は再度薬剤感受性試験を行います。

なお、検査方法は予告なく変わることがあります。

【報告】
報告は次の2回に分けて行います。
①形態観察から推定される菌種名、薬剤感受性試験結果およびそれに基づくアドバイスを、約2週間で報告します。一定期間観察を続けても発育がみられない場合は陰性として報告します。
②遺伝子検査により同定した菌種名は、約1カ月で報告します。
※一部培養に時間がかかる菌があり、その場合はこの限りではありません。

【検査内容・料金】
21,600円(税込)
培養で陰性だった場合は2,160円(税込)

【サンプル採取方法】
組織(尿、血液、糞便、鼻汁、気管支洗浄液など)をシードスワブ(推奨:栄研シードスワブγ2号)の綿棒部分に浸すか、病変部を直接スワブします。尿や気管支洗浄液など液体量が多いものは、遠心分離後、沈渣をスワブして下さい。
毛などの固形組織は、直接培地に接するようにしてシードスワブやダーマキットに入れて下さい。

【サンプル送付方法】
原則室温で送付、場合によっては冷蔵で送付して下さい。菌が死滅するため冷凍は厳禁です。サンプルはチャック付きビニール袋に入れ、さらに緩衝材を入れた上で2重に梱包し、万一破損した場合も外部に内容物が出ないようにして下さい。
輸送中の事故について当施設は責任を負いかねます。また、送付された検体を返却することはできません。

【実施施設】
東京農工大学 農学部付属国際家畜感染症防疫研究教育センター内 真菌検査部門
〒183-8509 東京都府中市幸町3-5-8
Tel&Fax: 042-367-5742
e-mail: tmizutan@cc.tuat.ac.jp

検査をご希望の方はサンプルを送付する前に、まず上記の連絡先にご連絡下さい。
本検査は大学の研究の一環として行われ、研究の状況により検査を受け入れることができない場合があります。また、論文や学会発表等にデータを使用することがあります。



 

 

 

 

 

 

真菌検査パンフ表低解像度